ヘタレ王子とヤンキー姫
颯太の母親は、颯太が口をきかなくなってから、もう一度成績表を見直した

ひとつの教科だけが、あまりにも他と差がありすぎる。

颯太の父も、それに気づいた。

これはおかしいと、担任に話を聞きに行ったが、まともにとりあってはくれなかった。

不正を追求しても、ちゃんと調べようとはしてくれなかった。

帰って、颯太のテストを見返すと、消したようなあとがあり、筆跡も似せているが、颯太のものとは違っていた。

「どう言うことなんだ?」

「あの子に何があったの?」

二人が真実を知ることはなかった。
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