ヘタレ王子とヤンキー姫
家の前で大きくため息をついて、扉を開けた。
「お節介なんだよな…あいつら」
呟いて颯太は少し笑った。
隠していたつもりだったけど、樺音も恵美も気付いていたんだと、知った。
どうせなら両親が揃ったときに話したいと考えた颯太は、父親が帰ってきてから話すことにして、そのまま自分の部屋に入っていった。
後ろから追いかけるように聞こえた、母親の声に昨日までは全く感じなかった罪悪感を感じながら。
「母さん、ずっとあんな悲しそうに俺を呼んでたんだな。」
「悲しいよ。自分の大切な人に無視されるのは。」
恵美には電話で簡潔に事情を話した。
電話の向こうでは、恵美が樺音と春樹に、説明をしていた。
「なぁスピーカーにしてくんない?面と向かって言うのは恥ずかしいけど、伝えたいことがあるんだ。」
「分かった…いいよ。」
「俺さあのときのこと、すげぇムカついてたけど、よかったこともある。この高校に入ったことだ。あれがなかったら、俺はここにいなかったし、お前らにも会えなかった。だから、プラマイ0ってやつ?ありがとな」
誰もなにも言わなかった。
「おいなんか言えよ。」
「樺音と春樹なら声殺して笑ってるよ。」
「ふざけんなよ。」
そういいながら颯太も笑っていた。
「そろそろおやじ帰ってくるからいくわ。」
「頑張って。」
颯太は電話を切った。
「お節介なんだよな…あいつら」
呟いて颯太は少し笑った。
隠していたつもりだったけど、樺音も恵美も気付いていたんだと、知った。
どうせなら両親が揃ったときに話したいと考えた颯太は、父親が帰ってきてから話すことにして、そのまま自分の部屋に入っていった。
後ろから追いかけるように聞こえた、母親の声に昨日までは全く感じなかった罪悪感を感じながら。
「母さん、ずっとあんな悲しそうに俺を呼んでたんだな。」
「悲しいよ。自分の大切な人に無視されるのは。」
恵美には電話で簡潔に事情を話した。
電話の向こうでは、恵美が樺音と春樹に、説明をしていた。
「なぁスピーカーにしてくんない?面と向かって言うのは恥ずかしいけど、伝えたいことがあるんだ。」
「分かった…いいよ。」
「俺さあのときのこと、すげぇムカついてたけど、よかったこともある。この高校に入ったことだ。あれがなかったら、俺はここにいなかったし、お前らにも会えなかった。だから、プラマイ0ってやつ?ありがとな」
誰もなにも言わなかった。
「おいなんか言えよ。」
「樺音と春樹なら声殺して笑ってるよ。」
「ふざけんなよ。」
そういいながら颯太も笑っていた。
「そろそろおやじ帰ってくるからいくわ。」
「頑張って。」
颯太は電話を切った。