ヘタレ王子とヤンキー姫
颯太は、電話を切ってリビングへむかった。

リビングには、両親が揃っていた。

「父さん、母さん。」

「颯太?」

突然話しかけてきた、息子に二人は驚いていた。

「話したいことがあるんだ。聞いてほしい。」

颯太は、あのときのことをできるだけ、詳しく話した。

その間両親は、一言も話さず、颯太の目を見て、颯太の話を聞いてくれた。

はなし終わり、先に口を開いたのは母親だった。

「あれから、あまりにも不自然な、成績に疑問をもって、お父さんと一緒に学校へ行ったの。まともにとりあってもらえなかったけど。」

「口を利かなくなったお前を見て、いつも後悔していた。」

“ごめんなさい”と二人揃って頭を下げた。

「もういいんだ。昔のことは。俺の方こそ、ずっと避けててごめんなさい。」

この家に再び光が戻った。

その日、夜遅くまで、笑い声が絶えなかった。
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