ヘタレ王子とヤンキー姫
春樹はベッドの上で目をさました。

身体中が痛む。

春樹は今日のことを思い出していた。

自分の傍に来て、抱き寄せてくれた樺音の姿を思い出した。

そのあとの自分の行動を思い出して、顔が赤くなる。

その時、部屋の扉が開く。

「起きたか?」

入ってきたのは樺音だった。

「樺音?恵美は?」

「ピンピンしてるよ。」

それを聞いて春樹は安心した。

室内に沈黙が流れる。

「なぁ…春樹。お前は今回ひどい目に遭って…けどそれは俺のせいで…。」

樺音が何を言おうとしているのか考えた春樹は、ベットから飛び出して、樺音に抱きついた。

「嫌だよ!!もう離れていかないで!!僕樺音が好きなんだ。大好きだよ!!だからどこにもいかないで!!」

「春樹…それってどういう…」
「意味はひとつしかないじゃん。そこまで子供じゃないよ?だから…颯太と恵美がお互いを好きって言うのと同じような…」

そこまでいって春樹はやめた。

急に恥ずかしくなってきたからだ。

暗闇のなかで、樺音が笑ったような気がした。

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