会いたい
長い、美しい抱擁の後、少女は緩やかに私を振り返った。長い髪がひるがえる。
「律を、ありがとう。あなたにとても親切にしてもらって嬉しかったって言ってる」
「――あなた、わかるの!?」
大人びた顔立ちに無邪気な笑顔が浮かぶ。
「ええ。私は誘(いざな)。律を探していたの。
とても強い想いが、律をここに呼んで、私を待っていたから。
あれは、あなたの恋人だったのね――」
「とおるが――?」
少女は遠い瞳で、空を見上げた。
「遠い海が、視えたの。
彼はずっと独りだった。そして、待っていた。自分の声を聴くものを」