夏恋~小さくて素敵な恋~


椅子に座って、塚原くんは話を聞いてくれた。



お姉ちゃんが病院に運ばれてしまった理由を話した。



本当は電話が来た時、不安で押しつぶされそうだったこと。



みんなに心配かけたくなくて、無理に笑顔を作っていたこと。



そして、お父さんや誠二さんに何て声をかけたらいいのかわからないこと。



さっきまで心の中でモヤモヤしていた気持ちをすべて話した。



「…聞いてくれてありがとう。なんだか、気持ちが軽くなった。」

「不安だったのに、よく一人で我慢したな。」



優しい言葉にまた涙腺が緩みそうになった。



塚原くんに話して気持ちが軽くなったのは本当で。



それを少しでも伝えたかったけど、今は良い伝え方がわからない。



「本当にありがとう。」



今はこの言葉だけで精一杯だ。


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