夏恋~小さくて素敵な恋~
笑顔。
笑顔でみんなを元気に。
あたしにも出来るのかな。
今、不安で待っている大切な人たちを元気にすることが。
あたしは分娩室へと走った。
きっと、きっと出来る気がした。
根拠はないけれど、なぜか強く思える気がした。
分娩室の前の椅子には、難しい顔をしたお父さんと誠二さんの姿。
その二人の顔をみると、すごく心が痛んだ。
目を閉じて、さっきの塚原くんの言葉を思い出す。
『笑って!』
うん!
やってみるよ!
「お父さん、誠二さん!」
「「???」」
二人が重い顔をあげた。
あたしは二人に笑顔を向ける。
塚原くんの笑顔を思い出して。