夏恋~小さくて素敵な恋~


「お姉ちゃんと赤ちゃんはきっと無事だよ!大丈夫。だから、二人が出てきた時にちゃんと笑顔で迎えてあげられるようにしよ!」



ちゃんと、笑えてたかな。



ちゃんと、伝わったかな。



「奈留ちゃん。」

「奈留。」



緊張しながら二人の顔を見ると、少しだけ表情が和らいでいた。



「そうだね、僕たちが笑顔じゃないと幸や産まれてくる子がびっくりしちゃうね。」



そう言って誠二さんは笑った。



「はい!笑顔で待っていましょう。きっと大丈夫です。」



この場の空気が明るくなるのを感じた。



不安なときこそ、暗い時にこそ、笑顔が大事だ。



そういえば、あの人はいつも、どんな時でも笑顔だったな。



「奈留、強くなったな。さあ、一緒に幸と赤ちゃんを待とう。」

「うん!」



お父さんの大きな手があたしの頭の上に置かれた。



久しぶりの感覚に安堵する。



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