ありのままの、あなたが欲しい。

そして迎えた水曜日。


今日に限って俺が担当していたグループの利用者の家族が、迎えに来るのが少し遅れて居残るハメになり。

最後の利用者を見送った頃には、空はうっすらと闇が広がり始めていた。



夏芽さんが言う“話”とやらが気になって一日中落ち着かなかった俺は、早く帰ろうと足早に更衣室へ向かう。


すると、ちょうど女子更衣室から着替え終わった亜優が出てきた。



「あ…お疲れ様、東海林サン」


「あぁ、お疲れ」



いつも通りの他人行儀な挨拶を交わして更衣室に入ろうとすると──



「待って!」



なんだか神妙な顔つきの亜優に呼び止められた。


< 333 / 395 >

この作品をシェア

pagetop