ありのままの、あなたが欲しい。
「今日も…ダメ、かな?」



なんだかいつもの勢いはなく、その声は少し不安げに聞こえる。

もう断られるのをわかってるような感じだ。



ずっと断り続けていればそのうち諦めるかと思っていた俺が浅はかだったな…。


ほとんどの職員が帰った今なら、更衣室にも、事務所から離れたこの辺りにも誰もいない。

もう、この場でハッキリ言ってしまおうか。



俺は一度開いた更衣室の扉を閉めて、亜優に向き直った。



「悪い…ちょっと用事があるんだ。

…今日だけじゃない。もう亜優との関係は終わりにしたいんだ」



< 334 / 395 >

この作品をシェア

pagetop