聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
「え? ちょっと待って、何するの!?」

「何って、報酬貰おうとしてんだろ? 一回ならキスだけでもいいけど、四回だもんな……。それとも? お前のほうからキスしてくれるのか?」

 黒斗はそう言ってニヤリと笑った。


 あたしが自分からなんて恥ずかしい事、出来ないのを承知で言ってる。


 くぅー!
 このドS!!


「出来ないよな? だから残りの三つはキスマークにしようとしてるんだろ?」

 そしてボタンを全部外した黒斗は、何故かピタリと動きを止めた。


「……? 何、どうしたの……?」

 聞くと、黒斗はすっごい楽しそうな微笑みを見せた。


 うっ……聞かなきゃよかったかも……。


「それとも、キスマークじゃ物足りなくなったか?」

 そう言ってベストのファスナーにまで手を掛けた。


「――っ!!?」

「その先も、してやろうか……?」

 艶(つや)めかしい低音ボイスで囁きながら、黒斗はベストのファスナーを下ろしていく。


「えっ、ウソ? ちょっやだぁ!」

 ファスナーを下ろす腕を叩きつけたけど、びくともしない。


< 121 / 364 >

この作品をシェア

pagetop