聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
 そうしてファスナーは下ろされ、あたしは柔肌を黒斗の前に晒(さら)した。


 ベストは肌に直接フィットするように作られているので、ブラはつけていない。

 ファスナーを下ろしただけでかろうじて隠れているけど、ベストを開けばもうほとんど裸の状態だ。


「うっ、やだぁ……」

 あたしは今にも泣きそうな状態。


 そんなあたしに、黒斗は耳を舐めて囁いた。

「いいぜ、今日はお前の泣きそうな顔見れて結構満足。……普通にキスマーク三つとキス一回でカンベンしてやるよ」

「ふっぐうぅ……」

 あたしは何か文句を言ってやりたい気分だったけど、すぐに黒斗の唇が胸元に触れたから無理だった。


「あっ……!?」

 いつもの場所に唇が触れたかと思うと、そのまま下へと下がっていった。

「えぇ!? ちょっ、キスマークだけって言ったよね!?」


 慌てるあたしに、黒斗は唇を肌に触れさせたままで言った。

「もちろんキスマークだけだぜ? いつもよりちょっと位置が下になるだけだよ」

 そして黒斗はすぐにその場所を吸った。


「あっ! ……んんぅ……」

 その後黒斗が三つキスマークをつけ終えるまで、あたしはずっと声を押し殺していた。


「じゃ、最後に……」

 そう呟いて、黒斗はすでに息切れをしているあたしの口を塞ぐ。

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