聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
 やっぱ、カッコイイよね……黒斗って。


 そうやってボーっとしていたせいで、あたしは降りかかってくる災難を避ける事が出来なかった。



 バシャーーー!

「ぅわっ!? 何? 冷たっ!?」


 何処からともなく水があたしに降りかかってくる。

 天気は快晴。
 もちろん雨なんかじゃない。


「っわ!? 悪ぃ悪ぃ!」

 少し離れた所から高志の声がする。


 見ると、水場で何かやっている。
 周辺の地面の濡れ具合を見ても、水遊びしていた事は容易に想像出来た。

「こら! 何してるんだ!?」

 あたしが怒りの声を上げるより先に、体育教師の怒声が響く。


「うわ、やべっ!」

 高志はそう言って慌ててたけど、逃げられるわけが無い。

 教師に首根っこを掴まれた高志は、「スミマセンでした」としおらしく謝っていた。


「そうか、悪いとは思っているんだな? だったらお前は授業の残り時間ずっとマラソンだ! 校庭10週は必ず走れよ!?」

 体育教師は皆にも聞こえるくらい大きな声で言い、高志を校庭に追いやった。


 そしてあたしの方を見る。

「お前はもう着替えろ。そのままだと風邪をひくからな」


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