聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
 今度は怒りで顔を真っ赤にし、拳をプルプルと震わせた。

 もうしばらく高志が笑っていたら殴ってたかもしれない。


 でも、高志は何とか笑いを抑えて話を再開させる。

「と、とにかく……そんなトコ見ちまったから分かった。オレは友とそういう関係にはなれないんだってコトが……」

「高志……」

「だから諦めるわ! ……それに、友情は不滅だろ? オレはお前との関係がどんなものでも、それが壊れちまうのが一番嫌だし!」

 そう言ってニカッと笑った高志は、いつもの……友達としての高志だった。



 あたしは、嬉しくて涙が出てきそうなのを我慢しながら微笑む。



 高志のことは、あたしがはっきりしなきゃいけないんだと思ってた。

 でも、高志だってちゃんと考えて、ちゃんと答えを出した。


 あたし一人が何とかする必要は、なかったんだ……。



「ありがとう、高志」

 あたしは、素直な気持ちを言葉にする。



「高志は、オレの最高の友達だよ!」


 そうして、友達としての最高の笑顔を高志に捧げた……。



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