聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
「もしかしてお前、嫉妬した?」

「っ!!?」


 何で分かったの!?


「やっぱりか。怒ってる割にはどっちかって言うと辛そうな顔してたし、それに何より俺を見て顔真っ赤にしてたもんな」


 そんな、表情だけで分かるなんて!?


「そんな顔、俺が嫌で怒ってする顔じゃねぇし。……他に思いつかねぇからカマ掛けてみたんだけど……」


 カマ掛けてみた?

 ってことは――!


「今のは当てずっぽう!?」

「そ、でも当たってたみたいだな?」

 と黒斗は飄々と言ってのけた。
 そしてまたダークな笑みを作る。

「今日は一般客で女も来てたもんな」

 嫉妬していたことがバレて、恥ずかしくて顔を背けたあたしの耳元に黒斗は唇を寄せて囁いた。


「俺結構そいつらに絡まれてたし、転びそうなのを装って抱きつかれたしな」

 その言葉を聞いて、またカッと嫉妬心が蘇る。

 でも次の瞬間黒斗に耳のふちを舐められて、その嫉妬心は心の奥に沈んでいった。

 ペロッ

「ぅんんっ!」

「で? 実際のところどうなんだよ。友の口からちゃんと聞きたいんだけど?」


 黒斗、絶対楽しんでる!

 あたしが嫉妬してたってコトはもう分かってるはずなのに、わざわざあたしの口から聞きたいなんて……。

 やっぱり黒斗はドSだぁ~~~!


「ほら、黙ってねぇで言えよ」

「ひゃあ!?」

 また耳を舐められて催促された。

 クチュッとわざとらしく音を立てられて凄く恥ずかしい。


「やっ、ちょっ、止めて黒斗ぉ!」

 言っても止めてくれる気配はない。
 本当にあたしが嫉妬してたってこと言うまで止めてくれる気はないみたいだ。


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