聖石学園~意地悪で腹黒のナイト様~
 説明を聞きながら、あたしはさらに驚く。


 そんなこと考えてたなんて……。

 もしかして、この間考えがあるって言ってたの、この事だったの!?


「だから蓮先輩に相談して、社長にマネージャーとして雇ってもらえるように話をつけたんだ。蓮先輩も雪先輩と怜先輩のマネージャーやってるらしいから……」

「でもいいの? 黒斗、やりたいこととかあるんじゃないの?」

 呆然としながら聞いた。


 だって、あたしはモデルの仕事をずっと続けていくつもり。

 だからあたしのマネージャーになるって事は、これからずっとマネージャーとして仕事をしていくって事だ。


 黒斗、将来の夢とかないの?


 そう思って申し訳ない気分で黒斗を見ると、黒斗は仕方ないなぁといった感じで微笑んだ。

「俺のしたいことは友、お前の側にいることだ。側でお前を見続けて、側でお前を守り続ける。……俺は、お前のナイトだからな」

 そう告げた黒斗の頬は、照れているのか少し赤かった。


 あたしはとにかく嬉しくて、涙を滲(にじ)ませる。



 黒斗――。


 Sっ気があって、腹黒い所もある黒斗。

 でも、優しくて甘い所もある黒斗。


 あたしの選んだ、誰よりも大好きな人――。





 
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