死が二人を分かつまで
「お姉さんを刺激しないためにも、しばらく会うのは控えよう」と小夜子に言われ、進藤も同意した。


自分のアパートに戻り、レポート作成の追い込みをかける。


いよいよ提出期限が迫っていたのだ。


そちらに集中できるよう、前もってバイトは休みをもらっていたので、プリズムに顔を出したのはそれから4日後のことであった。


久しぶりに小夜子に会えると、浮かれ気分で店内に入った進藤は、しかし、その異様な雰囲気にとまどった。


まもなく開店の時間だというのに、みな頭を垂れて、カウンターの前に立ちすくんでいる。


「あの…どうかしたんですか?」


「小夜ちゃん、店辞めたよ」

「え?」


一瞬、言葉の意味が理解できなかった。


「そんな……。嘘ですよね…?」


「こんなしょーもない嘘ついてどうするんだよ」


まったく、なんてタチの悪い冗談を言うんだ、と思いながら半笑いで応じた進藤に、マスターは吐き捨てるように言い放った。


「さっき、突然電話がかかってきて、『引っ越すことになりました。店は辞めます。お世話になりました』で終わりだよ」
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