死が二人を分かつまで
久しぶりに店にも顔を出した。


一週間近く無断欠勤してしまったので、クビを言い渡されるのを覚悟していたが、しかし、マスターは進藤に何も言わなかった。


「学生が休んだせいで、シフトが崩れて大変だったんだぞ!その分取り戻してもらうからな!」


何も言わず、いつものように怒ってきた。


驚いたのは、丸山が話し掛けて来たことだ。


「進藤君、元気?」


それまで必要最低限の事しか話したことはなく、わざわざ彼からアプローチして来たのはそれが初めてであった。


「あ、はい。元気ですよ!」


驚きつつも進藤は明るく答えた。


丸山は、進藤をじっと見つめてから、言葉を繋ぐ。


「君はまだ若いからね……。頑張りなさい」


数日後、明美から電話がかかってきた。


気まずいまま別れてしまったので、ずっと気になっていたようだ。


『健一、あのさぁ……』


言いづらそうにしていたので、進藤は自ら切り出した。


「心配しなくても、小夜子さんとは別れたから」


進藤の言葉に、明美は息を呑む。


『私のせい?』
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