死が二人を分かつまで
「はい。特に伯父が『すぐに夢破れて、あちらから泣き付いて来るだろうからわざわざ様子を見に行く必要はない』と祖父達に釘を差したらしく…」


「そう」


冷たいようだが、しかし、もう成人している娘であるし、大宮と東京は気軽に行き来できる距離にある。


とりあえず居住場所は把握していたのだから、放っておいてもさほど危険だとは思わなかったのだろう。


そして結果的にはその伯父の予想通り、小夜子は実家を頼る事となった。


「僕は上京してすぐその住所を訪ねてみたんですが、それらしい建物が見あたらなかったんです」


「んー、ここから南に直線で1キロくらい行ったあたりかな。割と近いよね。プリズムもその近辺にあったんだよ」


進藤は古い地図を頭の中で広げながら返答した。


「俺はそこからさらに徒歩15分くらいのアパートに住んでいたんだけど。でも、どれも取り壊されちゃったんだよね。あの辺、広範囲で区画整理されたから」


「そうだったんですか。じゃあ見つからないはずだ……」


さとしは眉尻を下げ、残念そうに呟いた。
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