死が二人を分かつまで
彼の唯一のおもちゃであり、宝物。
小夜子は近所にある会社で、事務のパートに就いていた。
母一人子一人、食べて行くのが精一杯でとても贅沢できるような余裕はない。
しかも、これからさとしが大きくなるにつれてさらに出費は多くなるだろう。
その為に、僅かに残ったお金も、すべて貯金に回していた。
なので必然的にさとしには、生活必需品以外の物は買い与えてはいなかった。
しかし、さとしは小さい子とは思えないほど聞き分けが良く、「これ買って」と駄々をこねたり我が儘を言ったりした事は今まで一度もなかった。
自分が置かれている立場をきちんと理解し、母に負担をかけないように、一生懸命我慢していたのだろう。
しかし、そんなさとしが珍しく、このクッションにだけは強く興味を抱いた。
衣料品も売っているスーパーで、小夜子が夕飯の食材を選んでいる最中、さとしはずっとクッションが陳列されている棚の前で、トトを見ていた。
「それが欲しいの?良いよ。カゴに入れなさい」
そう声をかけると、さとしは瞳をキラキラさせながら小夜子を見上げた。
小夜子は近所にある会社で、事務のパートに就いていた。
母一人子一人、食べて行くのが精一杯でとても贅沢できるような余裕はない。
しかも、これからさとしが大きくなるにつれてさらに出費は多くなるだろう。
その為に、僅かに残ったお金も、すべて貯金に回していた。
なので必然的にさとしには、生活必需品以外の物は買い与えてはいなかった。
しかし、さとしは小さい子とは思えないほど聞き分けが良く、「これ買って」と駄々をこねたり我が儘を言ったりした事は今まで一度もなかった。
自分が置かれている立場をきちんと理解し、母に負担をかけないように、一生懸命我慢していたのだろう。
しかし、そんなさとしが珍しく、このクッションにだけは強く興味を抱いた。
衣料品も売っているスーパーで、小夜子が夕飯の食材を選んでいる最中、さとしはずっとクッションが陳列されている棚の前で、トトを見ていた。
「それが欲しいの?良いよ。カゴに入れなさい」
そう声をかけると、さとしは瞳をキラキラさせながら小夜子を見上げた。