死が二人を分かつまで
眉根を寄せて、必死に進藤を見上げて来る。


しかし睨んでいる訳ではない。


何かに耐えているようだった。


予感があったが、その言葉以外思いつかなくて、進藤はポツリと呟いた。


「いい加減、しつこいよ……」


その言葉に、さとしの涙腺はとうとう決壊した。


みるみる涙が溢れて来る。


小さな頃からどんな時も、ニコニコと笑顔を絶やさなかった。


いや、そう努力してきたであろうさとしを、進藤は泣かせてしまった。


その顔を見ていられなくなって、進藤は思わず目を逸らす。


しかし、その行為が、逆に誤解を与えたようだ。


さとしが必死に抱き付いて来た。


子どものように泣きじゃくりながら、切れ切れに言葉を紡ぐ。


「ぼ、ぼく、これからもっと、しっかりします。誰にも、何も、言わせないようにします。もう、しんどうさんに、嫌な思いはさせませんから、だから…」


さとしを振りほどこうと、進藤はその腕に手をかけた。


しかし、次の瞬間、深く後悔する事となる。


真正面からさとしの泣き顔と対峙する羽目になったからだ。
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