死が二人を分かつまで
その言葉に、彼は心底仰天したように問い返した。


「え!?僕とですか?」


自分達の記念撮影を、わざわざストリートミュージシャンに、その演奏が終わるのを待ってまで依頼する者は普通いないだろう。

なかなか天然な少年である。


津田は吹き出しそうになるのを堪えた。


「えっと、ご、ごめんなさい。何か照れちゃうんで、そういうのはちょっと……」

「えー!」
「ダメなんですかぁ?」

途端に残念そうな声があがる。


ここでせっかくのファンを逃したか、と津田は思ったが、次の瞬間……。


「いつも見に来て下さる方達ですよね?ありがとうございます。またお時間あったら、聞いていって下さいね」


そう言いながら、彼は100点満点の笑顔を見せた。


嫌うどころか、ますます彼に心酔した様子の彼女達は満足そうに去って行く。


この、天然ジゴロめ。


心の中でそう呟きつつ、今度こそ津田は素早く彼に近づくと、声をかけた。


「こんばんは」


「あ、こんばんは……」


津田の登場に、少々とまどっているようだ。
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