死が二人を分かつまで
処置が終わり、ギブスと包帯で足を覆われたさとしが病室に運ばれて来たのを見た瞬間、進藤は心臓が止まりそうになった。


さとしは眠りについていたので、会話を交わす事はなかったが。


鎮静剤が効いているせいもあるが、それでなくても激動の一日だった。

身も心も疲れ切っていたのだろう。


どこかに異常がある訳ではなく、純粋な睡眠だから心配はいらないと担当医は話していたが、それでも進藤は、さとしのその青白い顔を目の当たりにし、まさかこのまま目覚めないのではないだろうかという不安にかられた。


「おい、あんたも休んだ方が良いんじゃないのか?」


ベッドの傍らのパイプ椅子に腰を下ろし、さとしの顔を見つめたまま微動だにしない進藤に、津田は声をかけた。


さとしの病室は一人部屋であった。


進藤は念の為一泊するよう医者に勧められ病室が用意されたが、それで大部屋のベッドがすべて塞がってしまったため、さとしは個室へと回されたのだ。


しかし津田は、他の入院患者と関わるのは煩わしいと思っていたので、むしろさとしに個室があてがわれたのは好都合であった。
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