死が二人を分かつまで
大きな窓は少しだけ開かれていて、風が控え目にカーテンを揺らしている。


どこからか、子どもの笑い声が聞こえてきた。


「小谷さ~ん、点滴変えますよ」


心地よい空気に包まれ、いつしかまどろんでいたさとしは、女性看護師の声で意識が覚醒する。


「足の痛みはどうですか?」


「今のところ、大丈夫です」


会話を交わしながらテキパキと必要な処置を終えると、看護師は笑顔を向けてきた。


「じゃ、また終わる頃来ますね」

「あ、すみません看護師さん」


「はい?」


「カーテン、開けていただいて良いですか?外の景色が見たくて……」


「ああ、そうね。良い天気ですものね」


さとしの言葉に頷きつつ、彼女は窓辺へと近づくと、勢い良くカーテンを開けた。


『シャッ』という音と共に、眩しい陽光が室内に差し込んで来る。


「体も少し起こしましょうか?」


「お願いします」


さとしのベッドの角度を調節しながら彼女は会話を続けた。


「進藤さんはさきほど退院の許可が下りたんですよ。良かったですね」


「あ、はい。さっき、挨拶に来て下さいました」
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