死が二人を分かつまで
彼の中で何かが動き出したようだ。

進藤は津田を少しだけ見直した。


だてにうるさいだけの男ではなかったらしい。


「伯父に、連絡を取ってみます」


さとしは津田にそう約束し、彼と携帯電話の番号を交換した。


ふと、進藤を見て、遠慮がちに切り出す。


「あの、良かったら、進藤さんの番号も教えていただけないでしょうか?」

「ん?うん、別に良いけど」


番号交換が終了し「じゃ、とりあえず今日の所は解散だな」という津田の言葉を合図に、3人は席を立った。


「どうせ経費で落ちるから俺が出すよ」

言いながら、津田は二人に財布を出す隙も与えないまま先頭切ってレジへと歩を進める。


会計が済み店の外に出ると、さとしは津田に丁寧に礼を言ったあと、今度は進藤に向き合った。


「今日はすみませんでした。こんな時間までお引きとめしちゃって」

「いや?別に。どうせ何もやることないし、良いよ」


相変わらず礼儀正しい子だな、と進藤は思わず顔を綻ばせる。


「でも、進藤さんが隣にいて下さって、とても心強かったです。ありがとうございました」
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