死が二人を分かつまで
さとしはキラキラした瞳で進藤を見上げた。


「今度、ぜひ母の想い出話を聞かせてください」

あらためて進藤と津田に頭を下げてから、さとしは横断歩道の向こう側へと歩いて行く。


笑顔でその後ろ姿を見送っていた進藤は、ふと、背後から圧力を感じ振り向いた。


津田が冷めた視線を向けている。


「……何か?」

「ちょっと顔貸してくんない?」

「は?」


そう言うと津田は、一人さっさと駅の方向に歩き出した。


なんだ、これではまた戻ることになるではないか、と思いながら進藤はとりあえず後に続く。


駅前広場に隣接する有料駐車場の前まで来たところで津田は立ち止まり、敷地を囲っているガードレールに腰掛けた。


進藤は少し迷ったが、そのまま立っている事にした。


「吸って良い?」


津田は胸ポケットからタバコとライターを取り出すと進藤にチラリと視線をよこす。


進藤が頷くと同時にくわえて火を着けていた。


了解を得ても得なくてもどのみち吸うつもりだったのだろう。


左手にはきちんと携帯灰皿を持っている。
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