死が二人を分かつまで
「わ、そうなの?」


小夜子はピアノの上に突っ伏した。


「なんか、一気にオバサンになった気分…」


「小夜子さんはおいくつなんですか?」


「私は24歳だよ。11月で25」


ぐったりしたまま彼女は答えた。


「何だ。じゃあ、そんなに変わらないじゃないですか」


進藤は本当にそう思って言ったのだが、小夜子は苦笑いしながら続けた。


「ありがと。気を使ってくれて。でも、10代と20代半ばの差は大きいよ~」


背後から笑い声が聞こえたので振り返ると、いつの間にか丸山が佇んでいた。


同性でも惚れ惚れするような、爽やかでダンディな笑顔を浮かべている。


あ、もしかして、打ち合わせでもあったのだろうか、と思った瞬間、カウンターからマスターの怒鳴り声が飛んで来た。


「こら!学生!」

「は、はいっ」

「なにムダ話してんだよ!邪魔すんなら出てけ!」

「す、すみません!!」


慌てて控え室へと逃げる進藤を目で追いながら、小夜子と丸山は楽しそうな笑い声をあげていた。


その日から、小夜子と進藤は急速に親しくなっていく。
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