死が二人を分かつまで
そう言って小夜子は店内を見渡す。


進藤は大きく頷いた。


「そうですよ。そんな奴の言いなりになんかならなくて良かった。そのうちきっと、小夜子さんの想いが成就する日は来ますから」

「それなら嬉しいんだけどな」


進藤の言葉に、小夜子は綺麗に整った白い歯を見せながら、満面の笑みを浮かべたのだった。


また、別の日には恋愛についての話にもなった。


「へぇ~、進藤君、彼女いないんだ」


小夜子は意外そうな声をあげる。


「高校の時はいたんだけど、自然消滅ですよ」

「ふ~ん。でも、大学に女の子、いっぱいいるでしょ?好みのタイプとかもいるんじゃない?」

「う~ん、あんまり話さないからなぁ。それどころじゃないっていうか…。今は生活を落ち着かせるのに精一杯で。親が一生懸命働いて仕送りしてくれてるんだから、俺も頑張って勉強しなくちゃ」

「…そっか」

「あ、彼女ができない言い訳してるんじゃないよ」

「分かってる」


小夜子はクスクスと笑った。


「何か、進藤君見てると、うちのお兄ちゃん思い出すわ」

「え?お兄さん?」
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