死が二人を分かつまで
「うん。大丈夫。動いてた方が気が紛れるから」


コーヒーとクッキーを進藤の前に置き、小夜子はようやく腰を落ち着けた。


玄関を開けるとすぐ6畳ほどのダイニングキッチンがあり、二人はそこに置いてあるテーブル前に向かい合って座っていた。


ガラス戸で仕切られているので中は見えないが、奥にもう一部屋あるらしく、さきほど小夜子はそこに荷物を置いて出て来た。


他にもドアがあり、おそらく風呂場とトイレだろうと予想する。


だいぶ狭い造りであろうが、それでも女性にとっては内風呂があった方が良いだろう。


「今日はごめんね」


小夜子は申し訳ない、という表情で進藤を見た。


「ううん。小夜子さんのせいじゃないよ。嫌な客に当たっちゃったね」

「うん…。でも、こういう仕事してたら、充分予測できる事なんだよね」


小夜子は目を伏せ、ため息をついた。


「ダメだなぁ。あれくらいでオタオタしちゃって。もっと強くならなくちゃね」


「ならなくて良いよ」


進藤の言葉に、彼女は「え?」と言いつつ顔を上げた。
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