死が二人を分かつまで
「バーテンダーは、昼間は別のお店でランチタイムにバイトしてるみたい。将来自分のお店を出したいから修業中なんだって」

「そうなんだ。丸山さんは?」

「あの人はね、フリーのピアノ講師。ていうか、ホントはそっちが本職でプリズムがバイトなんだけど」

「そうなの?」

「うん。マスターがお店出す時に、誰か良い演奏家はいないかって知り合いに聞きまくって、それで丸山さんが紹介されたみたいよ」

「でも、深夜1時まで仕事してて、よく体力が持つよね」


「ん~。でも、ピアノ講師って、普通のサラリーマンみたいに朝早くから活動してる訳じゃないから。レッスンのない時間帯もあるみたいだし、その間休めるもんね」

「なるほど」

「それに、私も前に同じようなことを質問したら、演奏家が一日中楽器に触れてるのは当たり前の事だし、色々な人に自分の演奏を聞いてもらえてしかも報酬までもらえるんだから多少睡眠時間が短くても全然苦じゃない、って言ってたよ」

「……丸山さんのこと、随分詳しいんだね」

「うん。あの人ってすごく話しやすいから」


小夜子は屈託なく続けた。
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