死が二人を分かつまで
「不思議な人よね。カッコいいんだけど、全然男くさい感じではないし。雰囲気が上品っていうかソフトっていうか」

「そうだね……」

「お姉さんと妹さんがいて、すごく仲が良くて、男の子よりも女の子と遊ぶことの方が多かったんだって。ピアノも、お姉さんが習ってたから真似して始めたらしくて……」
「丸山さんの話はもう良いよ」


突然話を遮った進藤を、小夜子は不思議そうに見つめた。


しかし、すぐに顔を綻ばせる。


「もしかして、妬いちゃった?」

「別に」

「んふふ」


彼女は嬉しそうに微笑んだ。


とても無邪気で、かわいらしい笑顔。


そんな会話を交わすこともあったが、基本小夜子は仕事に集中していたので、進藤はその間勉強をしたりヘッドホンで音楽を聞いたりして過ごした。


会話はなくても、小夜子と同じ空間にいるだけで、とてつもなく幸せだった。


進藤はいつも軽く夕飯を食べてからプリズムに出勤していた。


小夜子達はマスターがまかないを作ってくれて休憩中に食べていたが、進藤は短時間勤務なので休息時間は設けられていない。

小夜子が先にアパートを出て、数10分経ってから、進藤も店に向かう。
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