死が二人を分かつまで
「そういえば、今日はバイト休んでくれたの?」

「え?…いや、もともと休みだよ。月曜定休だから。それに毎日シフトに入ってる訳じゃないし」

「そうなんだ。でも、最初聞いた時はびっくりしたよ。バーで皿洗いなんてさ。そんなとこでバイトして大丈夫なのかと思って」


なぜかその話をすると、周りの人間は驚いた。


進藤の性格からして、飲み屋で働くというのはとてつもなく意外に感じるらしい。


進藤としては、条件が良いからその仕事を選んだだけなのだが。


何しろ、プリズムの時給は他の仕事と比べてかなり高めだった。


各種手当てが出ないので社会人の給料としては厳しいが、学生の進藤には関係ない。

アパートから徒歩15分程の距離なので通勤に便利であるし、拘束時間も短くて、10時にはあがれる。


大学生にとって夜の10時などまだまだ宵の口だ。


日々の雑事はもちろん、勉強や、自分の趣味に没頭したり、有意義に時間を使えた。


安い時給で長時間働かなくてはいけない事を考えたら、プリズムのバイトは進藤にとってはかなり「おいしい」ものであったのだ。
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