死が二人を分かつまで
「あ、えっと、バイト先でお世話になってる、小谷小夜子さん。あ、小夜子さん、これ、俺の姉貴です」


進藤は慌てて双方を紹介した。


「お姉さん…」


小夜子はじっと明美を見つめる。


「そっか……。ごめん。今日は帰るね」

「小夜子さん?」


進藤の声を払いのけるかのように、彼女は足早に去って行った。


どうしたのだろう?


一体何の用だったのか…。


思案に耽っていた進藤は、ハッと我に返った。


傍らの明美に視線を向けると、進藤をきつく睨みつけている。


「今の人、なによ」

「何って…。だから、職場の人だよ」


進藤は言いながら靴を履いた。


「なんで職場の人がこんな時間にあんたを訪ねて来るわけ?ちょっと、非常識じゃないかしら。しかも挨拶もしないでさっさと帰っちゃうし」

「うるさいなっ」

「健一!」


勘の鋭い明美は、二人のやり取りから何かしら感じとったらしい。

別に隠すような事ではないのだが、しかし、明美にうかつな話し方をすると面倒な事になりそうで、進藤はそれを放棄した。
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