俺のこと、好きなくせに
それより何より日々痩せていく体、栗色のストレートの、自慢のロングをバッサリ切って、ある時から帽子で隠すようになったその頭を見れば、もう大体の予想はつく。


瞳が結局その後きちんと病状を告げられたかどうかは定かではないけど、俺だって予想はついたんだから、当然本人は感づいてしまっているだろう。


ドラマや映画や小説で、もう何度となく出てくる、使い古されたエピソードだ。


しかし当事者にとっては、絵空事ではない、とても残酷な事実。


何度か際どい状態になり、面会謝絶にまで陥った事があった。


かと思うと容態が安定し、普通に起き上がって病院内を散歩できる程快方に向かった事も。


何度かそんな事が繰り返され、その度にもうダメかも、いやいや、もしかしたらこのまま劇的に良くなるのでは?と俺達は一喜一憂した。


しかし、運命は散々俺達を翻弄しつつ、ある意味裏切ることなく、一つの結末へと向かっていたのだった。

一見そうとは分からない形で、しかし確実に、その時は近づいて来ていた。


最近ではもう、ぬか喜びさせられる事さえなくなった。


あの白い部屋の小さなベッドの上で、瞳は一日中、ただ静かに横たわっている。
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