★始まりはいつも☆
「……なんかさ、繰り返しばっかじゃん。これだからシリーズものって面白味がないんだって」

「……知るか」


部屋の奥の方から、それぞれ癖のある声が響く。
嫌に甲高い声と、心地よいくらいの重低音。

甲高い声は甘えた時の声みたいで、媚びへつらったような感じ。


「吉良、瑠樹」


千歳が声をかけると、ドタドタと音がしてから二人組の男性が現れた。

難いの良い男の人と、メガネをかけたインテリ風の男の子。

二人は私より背が高いが、千歳は私と似たり寄ったり。


「だれ、それ」


インテリ風の男の子は私を見て不審な目をする。
高い声色から、前者の人だと分かった。


「吉良、この子があれだよ。総長」


へっ?

私の戸惑いも気付かずに、会話が止まる気配がない。


「えっ、見付けたの!? あ、よーく見てみるとそうかも」

「……同じだ」


どうやら、難いの良い子は話すことが苦手なようで、私と目を合わせてくれない。

人付き合いが苦手なんだと思うし、照れ性なんだとも思う。
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