恋色カフェ


「何、言っ、てるんですか。今いい味だって言ったばかりじゃ……」

「パスタのことを言ってるんじゃない」


店長の視線は、ますます鋭さを増した。いたたまれず逸らしてみるも、まだ見つめられている気配がする。額辺りに、視線が溜まっていく、感覚。


私、何か気に障ることでも言った……?



「仕事から離れたら“店長”って呼ぶなよ」


「……へ?!」


思いがけない一言が、私に素っ頓狂な声を上げさせた。



「そんな驚くことじゃないだろう。今はプライベートなんだから、当然じゃない?」


「だって……」


そんなこと、急に言われても。



「何て、呼べば……」

「何て呼んでくれるの?」


< 112 / 575 >

この作品をシェア

pagetop