恋色カフェ
案の定、目の前のこの人はニヤリと口角を上げ、面白がっている様子。
「…………森谷、さん」
「駄目」
あっという間の駄目出し。だったら、店長が決めてくれればいいのに、と心の中で不満を漏らす。
「俺が納得出来る呼び方で呼べなかったら、お仕置きだな」
「なっ……!」
“お仕置き”
店長のそれが、どんなものなのか。いつかを思い出して、不本意にも顔が熱くなってくる。
「ま、お仕置きされたいならいいけど」
「ひ、煕、さんっ!」
慌てて、叫ぶように言ってしまい、私は他のテーブルから視線を浴びた。
……何やってるんだろう。
「その呼び方は……ちょっと」
店長の曇った顔を見て、思い出した。
──そうか。
これって、理英さんが店長を呼んでいた呼び方だ。