恋色カフェ
てっちゃんの優しげな笑顔が、瞬時に頭に浮かぶ。彼はバイトの中で確か、一番人気だった筈。
今どうしてるの、彼、と訊くと、あかねの発していた重苦しい空気も一瞬和らぐ。
このまま話がどんどん脱線して、本筋に戻らなければいいな、なんて。そんなの叶わぬ願いなのはわかってるけど。
「で、そのてっちゃんがさ、まだ秀人と繋がってたらしくて、近況を聞いたのね」
「……うん」
思っていたよりもすぐ話が本筋に戻され、私は苦しさを隠し、頷いてみせる。
「秀人……ヤバいみたいよ」
「……、」
何が、と声に出そうとしたものの、何か閊えたみたいに喉から吐き出されず、残骸として奥に残った。
その先に来る話が、何となく、想像しているものと違わぬ気がして、心臓が嫌な音を刻む。