恋色カフェ
「今度はスタッフに手を出すんですか? だから理英さんは……!」
「俺は、高宮さんに仕事を教えてただけだよ。土屋(つちや)さんこそ、俺が返事する前に事務所に入ってきちゃだめだろ」
森谷店長はまったく動じることもなく、静かに彼女を往なす。
土屋さん、と呼ばれた彼女は口を真一文字に結んで
「……失礼しました」
と、机の上の荷物を持って、すぐに出ていってしまった。
『だから理英さんは……!』
……その続きは、何?
「今度は、って……」
心の中だけでおさめたつもりの言葉が、気がつけば口から零れてしまっていた。
森谷店長は苦笑いを浮かべて、自分の席に座った。