恋色カフェ
「じっとしてろよ?」
店長にお姫様抱っこをされていた、と気づいたのは、彼が座っていた二人掛けのソファーに下ろされてから。
動揺する隙を与えられぬまま、ほら、とキャップを開けた烏龍茶を手渡される。それを口に流しいれると、冷たさが喉に滲みた。
「そんなに酒弱かったっけ?」
「居酒屋でも、一杯ぐらいしか飲まない、です……」
「……悪い。てっきり普通に飲めると思ってた」
私の頭を撫でながら、店長は申し訳なさそうな顔を私に向けた。
「大丈夫、ですよ……自分で飲んだんだし」
力が入らないせいで、私は不本意にも、店長に体を預けた格好になっている。真っ直ぐに戻したくても、何せ力が入らないんだからどうしようもない。