恋色カフェ
「私もみんなと同じ時給スタートだし、時給だって高い訳じゃない。なのに何でそんな嘘を流したの」
店長とのことは全くの嘘という訳じゃないし、言われても仕方がない。でもこれは謂れのないことだ。
──が、万由さんの口から出てきたのは、謝罪の言葉ではなかった。
「だって、特別待遇じゃない」
「それって、どういう……」
「あんな……店長に、あんな……っ。
いくら店長が遊びだとしても、特別じゃないの!」
思いきり睨みつけられて、竦み上がる。
万由さんはひとしきり私を睨んだ後、ふっと表情を緩め、今度は怖い位の微笑みを見せた。
「でも、いずれ私が“特別待遇”になるから、今のうちだけよ。
店長はすぐに、私の方を向いてくれるわ」