恋色カフェ
万由さんが去った後も、私は暫く、その場から動くことは出来なかった。
しばらくして、隣のテーブルに着いた大学生らしき女の子達の弾んだ声に、ようやく、思考の海の底から浮上する。
鞄から携帯を取り出し、見つめた画面に着信の知らせはなかった。メール来ないな、なんて、店長は思ってくれているのだろうか。
仕事が終わったら今度こそメールしよう、と思っていたけど、でも。
──今、何を送ればいいんだろう。
ふと、グアテマラに行く前の、店長の顔を思い出した。
あんなに目を輝かせて、張り切っていた店長の気持ちを殺ぐようなことはしたくない。
それに。