恋色カフェ




何気なく顔を上げると、事務所に置いてあった永久カレンダーの“FRI”の文字が視界に入った。



「ようやく、金曜日、か……」


いつもなら、気がつけばあっという間、って感じなのに。


「長かったな……」


誰も居ないのをいいことに、私はあえてそれを口に出した。


話す相手がいないと、独り言でも言ってなければ、吐き出されない言葉が胸につかえそうになる。



──結局。

このことは店長に話してはいない。


この1週間、話す機会がなかった訳じゃない。メールだって1日に1回は必ず送ってくれてたし、電話だって、お店だけじゃなく私の携帯にも掛けてくれた。


< 221 / 575 >

この作品をシェア

pagetop