恋色カフェ
わざわざコーヒー豆の産地にまで行って、張り切っている店長を、萎えさせるようなことはしたくなかった
……なんて。そんなの、本当は“ていのいい”言い訳だって自分でも気づいてる。
話せなかったんだ────怖くて。
話したことで、この関係が変わってしまったら?
店長が、私から去ってしまったら……?
考えれば考える程、思考は嫌な方向へと流されていってしまう。
万由さんの、あの強烈な一言も、思考の嫌な流れの大きな要因ではあるけど。
──もう一つ。
この間から気になっている“あること”が、より私を不安にさせていた。
「もうすぐ12時半……か」
そろそろ、そのもう一つの要因をつくった彼が、この事務所に顔を出す頃だ。