恋色カフェ


入るまでは、確かに緊張したけど。


置かれている、アンティークのランプ。壁に飾られた、古びてはいるけど、品の良い絵画の数々。

お店の、包み込むような温かい雰囲気に、私は一瞬で癒されていた。



「良かった。俺のとっておきなんすよ、ここ」


柔らかな笑顔を向けられ、何かがゆるりと緩む。


──人の笑顔って、やっぱり安心するものなんだ。


何せこの一週間、人からの笑顔とはほとんど無縁で過ごしていたから。そう思ったら目頭が熱くなって、私は慌てて俯いた。



勝沼君のおすすめのカレーが運ばれてくると、彼は子供みたいな感嘆の声を上げる。

微笑ましくて、私はつい笑ってしまった。


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