恋色カフェ
そう言えばそういう話をし始めてすぐ位だったかな、一度だけヤバそうな男連れて怒鳴り込んできたヤツがいたっけ。
そう言って、勝沼君は苦笑する。
「どんな風に遊んでたかは、よくわからないすけどね。その怒鳴り込んできた女の子が、他のお客さんもいるのに
『ヤっといてふざけんな』
って言ってたから、まあ……当然、そんな感じっすよね」
唾を飲み込み過ぎて、口の中が乾いていることに気づいた。残っていたコーヒーを飲もうとカップを持ち上げると、カタン、と指先から滑ってしまう、それ。
「やっぱりやめた方が……」
「いいの、お願い、続けて」
ギュッと目を瞑ると、広がったのは、闇。目を開けても、視界に入るのはカップの白ではなく、コーヒーの黒檀色。