恋色カフェ
何が、言いたいのだろう。
ドクンドクン、と。胸は緊張だけでなく何か“他のもの”も雑じりながら音を立て始めている。
その“他のもの”が何なのか。それは永遠に気づかないままでいたい。
「高宮さん、さっき俺がこの部屋から出て来てびっくりしてたよね」
声を出すこともままならず、とりあえず頷いて見せる。
「どうやって俺がこの部屋に入ったのか。当ててみなよ」
「当てて、って……」
「高宮さんが当てることが出来たら、コーヒー1杯奢る。
もし、当たらなかった時は……」
ふ、と小さく零した笑いまでも耳を掠める程、店長が私のすぐ側まで間合いを詰めていることに、もはや動揺が隠せない。