恋色カフェ
「時間も迫ってきたから、店行きますよ」
「え、」
「ほら、みんなも移動し始めたし」
フロアを見れば、確かにみんな、小さく開いた店の出入り口から、外へと移動していた。
が、勝沼君は何故か、従業員口の方へと向かっている。
「勝沼君、こっちは従業員口……」
「いいんすよ」
「だって昼間、他の人から一緒に行こうって誘われてたじゃな……」
「俺は」
振り返った勝沼君は、またあの時と同じ、真剣な眼差しで──
「高宮さんと一緒に行きたいから」
言った後に落とされた視線が、何かを意味しているような気がして。
私はそれから、何となく勝沼君の方を見ることが出来なかった。