恋色カフェ
「俺の隣」
目の前の椅子に座らされ、勝沼君はその隣に腰掛けた。
「ちょっとリック、なんなの~」
「今日、うちらと一緒に飲む約束じゃん」
勝沼君はさっきまでいた席の方へと視線を向けると、
「俺は約束してない」
彼女達にそう言って、小さくため息を吐き出した。
「何、リックは高宮さんのことが好きなの?」
次に来たのは好奇心剥き出しの、下品な物言い。それに同調するように、からかう声があちらこちらから飛んでくる。
──ダメだ。
このままじゃ、彼の方にも火の粉がふりかかってしまう。
「そんなこと、どうでもいいじゃないすか。今日はただ高宮さんと飲みたい、と思ったんで」
私が口を開く前に、勝沼君は年上のスタッフに対してはっきりそう言うと、場は一瞬にして静かになった。