恋色カフェ
このままでいい筈がない、と自分でもわかっている──アンバーのスタッフ達とも、もちろん、店長とも。
でも、どうしても、怖くて。堪らないんだ。
一歩踏み出したことで、逆に全てが崩壊してしまったら──。
「……高宮さん」
喧騒の中に私を呼ぶ声が聞こえたような気がして振り返る、と。
「……店長」
「席、結構離れちゃったな」
そう言うや否や、店長は口に手を当てながらも欠伸をしている。
「……随分眠そうですね、今日」
確か事務所に来る度に、何度も欠伸をしていたような。……そう言えば、万由さんも。
昨夜は何時まで彼女と一緒にいたんだろう。
「何、そんな顔して」
「……別に。ただ万由さんも眠そうだったな、って」
「……ああ、なんだ。そういうこと?」